6月 142018
 
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富士通から小学生向けノートPCとして2-in-1の LIFEBOOK LH55/C2 とクラムシェルの LIFEBOOK LH35/C2 が発表されました。

個人的には割とよく出来てるなという感想だったのですが、Twitter で結構叩かれてるのを見かけたのでムキになって雑記を。。

物理的な仕様については下記サイトがよくまとまってるので細かい話はそちらを参照してください。

多くの小学生に最初に買い与える PC としては十分な設計であり、内容の割には価格も抑えられていると考えています。

良い点

堅牢かつ安全性と取り回しに配慮した設計

上記サイトに色々書いてある通り、非常に丈夫に設計されてるようです
これはかなり雑に扱う子供が多いだろうことを考えると必要なことでしょう。
更に、怪我をしにくいような構造であったり、グリップしやすいよう取り回しに配慮されている点は非常に良いかと。

Panasonic の TOUGHBOOK なんかはこれらの要件を満たすわけですが、アレは30万円くらいしますし、子供向けに買うのは流石に厳しいのでは。

さらにマウスや丈夫そうな持ち運び用のカバンまで付いているのは素晴らしい。

CPU は良い選択

2-in-1、クラムシェルいずれも KabyLake-U である Celeron 3865U を搭載しています。

Celeron ブランドに惑わされている人が多いですが、これより上となると実は i5-7200U となってしまい、おそらく2万円ほど価格が上がるでしょう。
i3 は HyperThreading が有効になるだけで性能は大して上がらず、TurboBoost が有効となる i5 までステップアップしなければ体感で変わるほどの性能向上は得られません。

CPU に関してはブランドだけでは判断できない程ややこしいラインアップをしており、アーキテクチャやコア数、TDP、ターボクロック等をきちんと確認して評価する必要があるでしょう。
例えば Celeron でも U シリーズと N シリーズでは大きく性能が違います。
N シリーズは Atom 系のアーキテクチャであり、Core i シリーズのアーキテクチャを採用している U シリーズと比較すると圧倒的に低速です。

Celeron 3865U という選択は、低価格 PC の中で最大限パフォーマンスを確保するという観点では非常に良いものだと思います。

SSD を採用している

HDD や eMMC ではなく SSD を採用している点は高く評価したいです。
HDD や eMMC は非常に低速であり、SSD にするだけで快適さが圧倒的に向上します。
128GB という容量に不足を感じる人もいるようですが、ゲームや動画を入れまくるようなことをしない限りは足りるでしょう。
SD カードスロットもありますので、そちらで補完することもできますし。

メモリは必要最低限

Chrome などが非常にメモリ消費が大きい昨今では、できれば 8GB ほしいところではありますが、最近は DRAM が非常に高価であること、ストレージが SSD なので最悪スワッピングでなんとかなるであろうことを考えると、4GB は必要最低限は満たしていると考えることが出来るのではないかと。

どうやら SO-DIMM スロットのようですので、どうしてもという場合は自力交換すれば良いのでは?

ディスプレイの仕様は近視抑制か

ディスプレイは 14 インチ 1366×768 とやや大画面低解像度ですが、子供のうちは近視が進行しやすいことを考えると、大きめな画面で要素が大きく表示され、画面に顔を近づけにくくなることを期待したこの選択は妥当なのでは。

また解像度が低いと消費電力が抑えられ、バッテリの持ちが良くなるというメリットもあります。

更に 2-in-1 モデルではタッチと筆圧対応ペンまで付いています。
これらは結構高価なので、2万円の価格上昇は仕方ないでしょう。
重量が増えてしまうデメリットもありますので、使い方に応じて2種類のラインアップを用意したのではないかと。

視野角が狭いらしい点は少々気になりますが……

およそ必要そうな I/F をすべて備えている

Wi-Fi、Bluetooth、RJ45、USB3.0×2、USB2.0×1、HDMI、SDカードスロット、マイク・ヘッドホン端子、フロント/リアカメラに対応しており、困ることはまずないのでは。

バッテリの持ちも悪くなさそう

TDP15W、2コア、14インチ1366×768 で 45Wh ですから、まぁ普通に使ってれば 6 時間以上は持つのではないかという気がします。

悪い点

重い

本体が 2kg 弱 + ACアダプタ + カバン等 と考えると小学生には重すぎるのではという気がします。
高校の頃 3kg 超のノートPC背負ってましたが、かなり重いと思ってたので、小学生に 2kg 超はつらそう。。
実際のところはどうなんでしょう……

防水じゃない

水をこぼしたりなんかは普通にありそうな気がするので、防水でない点はマイナスかなと。
防滴キーボードくらいは付いてるようなので、よほど濡らさなければ大丈夫そうではありますが。

ワイド保証つければ無償修理にはなりますが、3~5年で2~4万円である点や修理に時間がかかるということを考えるとうーん……
完全防水にするとかなり高くなりそうですから、こればかりは仕方がないか。。

まとめ

多くの小学生(※全員ではない!)を対象とした PC としては、非常に良く出来たものだと思います。

高価であるという主張もありますが、同等のスペックのマシンは 2-in-1 で7~8万円、クラムシェルで5~6万円しますから、それに堅牢さやカバン等を3万円ほどで付加されたと考えればむしろ安いのでは。

もし性能的に不足があるならば、よりハイスペックなものを選択すれば良いだけです。
それほどの性能を必要とする子ならば PC の扱いも承知しているでしょうから、「子供向け」PC である必要はないでしょうし。

必要最低限のスペックに加え、子供が使うのに必要な性能が概ね提供されており、コンセプトを考えれば良いマシンと言えるでしょう。

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